吉行淳之介(1924–1994)
岡山市生まれの小説家。父はモダニズム詩人・吉行エイスケ、母は実業家・吉行あぐり、妹に女優・吉行和子。東京大学英文科を中退し、編集者を経て作家に転じた。
「第三の新人」と呼ばれる戦後派作家群の一人として登場。1954年『驟雨』で芥川賞を受賞。代表作に『砂の上の植物群』『暗室』『夕暮まで』『鞄の中身』など。男女関係の機微、欲望、倦怠、滑稽さを、抑制された清冽な文体で描く名手として愛された。
長年にわたり結核を抱えながら執筆を続け、後年は対談集や軽妙なエッセイ、自伝的長編『軽薄派』『目玉』なども発表した。淡々とした冷徹さの中に滲む人間理解は、今も多くの読者に支持されている。