田山花袋(1872–1930)
群馬県館林生まれの小説家・紀行作家。本名・田山録弥。尾崎紅葉、国木田独歩らとの交友のなかで作家として出発した。
1907年発表の『蒲団』は、中年作家が女弟子に対する欲望を赤裸々に告白する作品として大きな衝撃を与え、日本における自然主義文学の事実上の出発点となった。続く『田舎教師』『生』『妻』『縁』なども、市井の人物の生のままを写し取る作風で読者の支持を集めた。
後年は紀行文・地誌に力を注ぎ、『東京の三十年』『日本一周』など、明治・大正の日本各地の風景と人情を記録した著作も多数残している。