中上健次(1946–1992)
和歌山県新宮市生まれの小説家。被差別部落出身であることを公言し、生まれ育った新宮の路地(被差別地区)を「路地」という固有名で描き続けた戦後文学の重要な作家。
1976年、『岬』で芥川賞を受賞(戦後生まれ初の受賞者)。『枯木灘』『地の果て至上の時』を含む「秋幸三部作」、さらに『千年の愉楽』『軽蔑』『奇蹟』など、被差別の文学・神話的構造・血族の物語を独自の濃密な文体で結晶化した。
46歳で病没するまで一貫して「路地」の世界を描き、戦後日本文学の最重要作家の一人として国内外で再評価が進んでいる。柄谷行人ら同時代の批評家との交流も知られる。