安部公房(1924–1993)
東京・滝野川生まれの小説家・劇作家・写真家・発明家。本名・安部公房(きみふさ)。少年期を満州・奉天で過ごし、東京帝国大学医学部を卒業(医師免許は取得したが医療には従事しなかった)。
代表作『砂の女』(1962年、読売文学賞)『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』『方舟さくら丸』など、不条理と現代社会の疎外を独特のスタイルで描いた作品群で、ノーベル文学賞候補としても名を挙げられた国際的作家である。『砂の女』は勅使河原宏監督により映画化され、カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞した。
1973年に「安部公房スタジオ」を主宰し、独自の演劇活動も展開。SF・カフカ的不条理・実存主義など多様な要素を一身に統合した、20世紀日本文学の特異な巨人として評価されている。