有吉佐和子(1931–1984)
和歌山県和歌山市生まれの小説家・劇作家。東京女子大学短期大学部を卒業後、雑誌『演劇界』記者などを経て作家活動に入った。
古典芸能、家族関係、社会問題を貫く硬派なテーマと旺盛な取材力で多くのベストセラーを生んだ。代表作は『紀ノ川』『有田川』『日高川』の和歌山三河川三部作、『華岡青洲の妻』『出雲の阿国』『恍惚の人』『複合汚染』など。とくに『恍惚の人』(1972年)は当時まだ社会的に語られにくかった認知症高齢者介護を正面から描き、ベストセラーとなって社会に大きな問題提起をした。
『複合汚染』では環境問題、『一の糸』では人形浄瑠璃の世界を題材に、社会と文化の交差点を生涯にわたって描き続けた。